* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
「カモミールのハーブティです。リラックス効果があるそうですよ?
柏原様が用意しておいてくれました。お優しいですね。」
数分後、湯気の上る高級そうなティーカップに入った飲み物を、私の前に置いて、
瞳ちゃんが大きな瞳を細めて微笑んだ。
あいつが・・・?
私のために・・・?
カップを持ち、ハーブティを口へと運ぶと、フワッと甘い、フルーティな香りが、口いっぱいに広がる。
一口、また一口と飲み進めていくうち、心の不安が、霧が晴れるように、スッキリとしていった。
ハーブティの効果なのかもしれないけど、
柏原が私のために用意してくれた事が嬉しくて、気持ちが明るくなっていった気がしたんだ。
心が温かくなって、何故だか分からないけど、涙が溢れ出した。
「サラさん・・・?」
心配そうに瞳ちゃんが私を覗き込む。
「あいつとハーブティって、ミスマッチ過ぎて、笑っちゃうよね。おかしくって涙出てきちゃった。」
私はそう言って、人差し指で涙をはじいた。