*  翼をください   * ー俺様柏原の不器用Loveー

少し落ち着いてくると、ある事に気が付いた。


「このブラウスは・・・?」


確か私のブラウスは、男たちに引きちぎられたはず。


今、私が着ているものは、どこも破れていないし、物もいい感じがする。


「失礼かと思いましたが、私が予備で持っていた服を、勝手に着せてしまいました。

よろしかったら、使って下さい。」


そう言って、瞳ちゃんは恥ずかしそうに目を逸らした。



「いいの?ありがとう。嬉しい!

実は私すごく貧乏で、制服2枚しか持っていないから、すっごく助かる。」


そう言って、舌を出す私を見て、瞳ちゃんも微笑んだ。


「私、こんな風にサラさんとお話する事が出来て、本当に幸せです!私の話、聞いていただけますか?」


興奮気味に話す瞳ちゃんの気迫に押されながら、私はコクコクと二回、首を縦に振った。


< 143 / 281 >

この作品をシェア

pagetop