* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
少し落ち着いてくると、ある事に気が付いた。
「このブラウスは・・・?」
確か私のブラウスは、男たちに引きちぎられたはず。
今、私が着ているものは、どこも破れていないし、物もいい感じがする。
「失礼かと思いましたが、私が予備で持っていた服を、勝手に着せてしまいました。
よろしかったら、使って下さい。」
そう言って、瞳ちゃんは恥ずかしそうに目を逸らした。
「いいの?ありがとう。嬉しい!
実は私すごく貧乏で、制服2枚しか持っていないから、すっごく助かる。」
そう言って、舌を出す私を見て、瞳ちゃんも微笑んだ。
「私、こんな風にサラさんとお話する事が出来て、本当に幸せです!私の話、聞いていただけますか?」
興奮気味に話す瞳ちゃんの気迫に押されながら、私はコクコクと二回、首を縦に振った。