* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
あまのじゃくの恋?!
二人で他愛もない話をしていると、部屋のドアが静かに開いた。
「サラちゃん、瞳も、紋之丞が車の手配したから、そろそろ行こうか?」
先に入ってきた清四郎が言うと、少しの間の後、何か思いついたように、瞳ちゃんが口を開いた。
「清ちゃん今日、車で来てる?ちょっと行きたい所があるから、私の事は清ちゃんが送って行って。」
「んー、オッケー。んじゃ、行こうか。紋之丞、サラちゃん、また明日ね♪」
いつもの軽いノリで、清四郎は部屋を出ていった。
「では、柏原様、お邪魔しました。サラさん、明日学校で。」
清四郎の後に急ぐよう、瞳ちゃんは早口でそう言った後、耳元で
(あまり意地を張っていると、後で後悔しますよ。)
小さな声で言い残して、部屋を出て行った。
部屋に取り残された、柏原と私。
こいつと二人きりでいるのは、危険だわ。
なんとかここから脱出せねば・・・。