* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
「ちょっと待ってよー!」
やっとの思いで追い付くと、柏原は前を向いたまま一言。
「ついてくんな!」
な、なんですとーーーぉ!
「あんたねー!」
そう言って先回りをして覗くと、街の明かりに照らされた柏原の顔が、ほんのり赤く染まり、
照れくさそうにそっぽを向いたから、私の顔まで赤くなっていくのが分かった。
「どうせ同じ方に行くなら、並んで歩こうよ。」
こうなったら、本屋に用事がある設定で、話合わせてあげるわよ。
素直になれって、瞳ちゃんにも言われちゃったしね?
「そこまで頼まれたら仕方ねえな。一緒に歩いてやるよ。」
そこまで頼みました?私。
でも、こいつの照れ隠しだって分かってるから、あえて突っ込まないでおこう。