* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
「つれないなー、サラちゃん。挨拶代りに、軽くキ・・・んんん。」
慌てて清四郎の口を、両手で押さえる。
柏原の取り巻き女が、怒りの形相で私と清四郎を引き離した。
「何をなさるの!?あなた、柏原様だけでなく、橘様にまで、なんて失礼な事を。」
って、こいつも“様”付けなの?
「ありがとう。優しいね、綾香ちゃん。」
そう言って清四郎は、取り巻き女に爽やかに微笑んだ。
ポポポと、綾香とやらは頬を赤らめる。
あんたは、柏原の取り巻きじゃないんか~い!
と、心の中でツッコミを入れる私。
「朝からうるせえよ。」
声の先では、気だるそうな顔の柏原がこっちをにらんでいる。
あんたもいたのね・・・俺様柏原!!
まさに前途多難なこの状況!
どうなる私!?