*  翼をください   * ー俺様柏原の不器用Loveー

「つれないなー、サラちゃん。挨拶代りに、軽くキ・・・んんん。」


慌てて清四郎の口を、両手で押さえる。


柏原の取り巻き女が、怒りの形相で私と清四郎を引き離した。



「何をなさるの!?あなた、柏原様だけでなく、橘様にまで、なんて失礼な事を。」


って、こいつも“様”付けなの?


「ありがとう。優しいね、綾香ちゃん。」


そう言って清四郎は、取り巻き女に爽やかに微笑んだ。


ポポポと、綾香とやらは頬を赤らめる。


あんたは、柏原の取り巻きじゃないんか~い!


と、心の中でツッコミを入れる私。



「朝からうるせえよ。」


声の先では、気だるそうな顔の柏原がこっちをにらんでいる。


あんたもいたのね・・・俺様柏原!!



まさに前途多難なこの状況!


どうなる私!?


< 16 / 281 >

この作品をシェア

pagetop