* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
大っ嫌いなの?
それとも・・・。
私の真剣さに、呆れたように溜息を一つついて、穏やかに笑みを零した柏原。
足を止めて私へ向き直り、まっすぐに私の瞳を見据えた。
そして・・・
「お前の事が、好きだ。」
甘く優しい声で、呪文のように唱えた。
すぅっと、私の心に沁み込んで、頭からつま先まで、熱いものが流れる。
まるで、時間が止まってしまったように、無になる私。
榊原くんの時とは違う、この感覚。
いつになく騒がしい私の心臓の意味も、今、感じている、この感覚も・・・、
本当は気付き始めている。
どう受け止めたらいいの?
どう答えたらいい?
感情が高ぶって、何故だかわからないけど、涙が頬を伝った。