* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
「ごめん・・・。」
「あ?」
ひょえーっ!
勇気を振り絞ったのに、隊長!鬼が睨みかえしてきました!
ここで引き下がる訳にはいかない!
前進あるのみだ、サラ隊員!
そうだよ、ここで逃げちゃ、ダメなんだ。
鬼を見ないで、前だけを見ながら口を開いた。
「ありがとうね。助けに来てくれて。」
「おぅ。」
・・・・・・それだけ?
あれだけ『大事な事』を連呼しておきながら、たった一言?
どん引きしていると、柏原が口を開いた。
「無事で・・・、良かった。」
柏原の方を見ると、瞳の奥が揺れている。
「心配かけて、ごめん。」
そんな柏原に、私も素直に答えた。
それなのに・・・。