*  翼をください   * ー俺様柏原の不器用Loveー
第三章

俺様全開!?


「サラちゃん、おはよう!」


丁度バスを降りた所で、榊原くんに出会った。


「おはよう。昨日、ごめんね?急にバイト休んじゃって。」


「ううん、それより大丈夫だった?倒れたって聞いたけど。」


「うん!この通り、すっかり元気。」


私は、半袖からのぞく二の腕に、力こぶを作ってみせた。


「あははっ、元気そうで安心したよ。」


榊原くんは、そう言って、子供のように笑う。


癒されるわ~、この笑顔。


そんな事を思いながら、榊原くんと二人、穏やかな一日の始まりを、楽しい会話をしながら歩いていると、

何やら後ろから、ドス黒いオーラを感じた。


ぶるっと身震いをするのと同時に、聞こえてきた悪魔の声。


「おいっ!」


俺様柏原登場!


ものすごーく不機嫌そうな顔を、私・・・ではなく、榊原くんに向けている。


< 169 / 281 >

この作品をシェア

pagetop