* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
第三章
俺様全開!?
「サラちゃん、おはよう!」
丁度バスを降りた所で、榊原くんに出会った。
「おはよう。昨日、ごめんね?急にバイト休んじゃって。」
「ううん、それより大丈夫だった?倒れたって聞いたけど。」
「うん!この通り、すっかり元気。」
私は、半袖からのぞく二の腕に、力こぶを作ってみせた。
「あははっ、元気そうで安心したよ。」
榊原くんは、そう言って、子供のように笑う。
癒されるわ~、この笑顔。
そんな事を思いながら、榊原くんと二人、穏やかな一日の始まりを、楽しい会話をしながら歩いていると、
何やら後ろから、ドス黒いオーラを感じた。
ぶるっと身震いをするのと同時に、聞こえてきた悪魔の声。
「おいっ!」
俺様柏原登場!
ものすごーく不機嫌そうな顔を、私・・・ではなく、榊原くんに向けている。