* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
エスカレーター式で高校に上がるだけあって、特別に入学式がある訳でもなく、
初日から普通に授業が始まった。
さすが名門校、休み時間には、まだまだ私に好奇心を向ける人がいるものの、
授業中は誰一人、授業内容を聞き漏らす事の無い様、真剣に耳を傾けている。
私は、奨学金をもらって通っている以上、成績が落ちる事は決して許されない。
この、クラスの雰囲気に、焦りさえ感じ始めていた。
男の事なんかで、なに心乱されちゃってるのよ!
レベルの高い授業内容を、一字一句逃すまいと、キュッと気持ちを引き締めた。