* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
「おはよう、柏原くん。」
あえて気にしないのか天然なのか、榊原くんが笑顔で返した。
「あ?お前に用はない。」
「あんたね、そんな言い方・・・、」
そこまで私が言うと、怒りの矛先が私に変わる。
「お前、今日の放課後、空けておけ。」
「は?私、バイトあるし無理。」
「心配すんな、バイト先にはもう、連絡入れておいたから。」
「はーっ!?勝手な事しないでよ!断る!」
もう!こいつの自分勝手、今日は一段とヒドイんじゃない?
榊原くんが横にいるのも忘れて、私も負けじと柏原を睨み返す。
「うるせぇ、お前に拒否する権利はない!」
柏原は怒ってそう言い残すと、怒りのオーラ出しまくりの背中をこちらに向けて、
さっさと学校の方へ歩いて行った。
「何なのよー!ガキー!!」
私の叫ぶ声が、聞こえてるかどうか分からないけど、柏原は真っ直ぐに、道行く人にぶつかりながら、
猪のごとく突進しているように見えた。
まさに、猪突猛進!(←ちょっと意味違う。)