* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
―そんな事より私、今とてつもなく大きな不安が、胸を渦巻いてるんですけど!
今朝、突然姿を消した柏原。
『俺様が代わりに、ボコボコにしてやろうか?』
あの言葉が、頭の中でリプレイされる。
ごくりと音を立てて、唾が喉を通った。
あいつ、あの空白の数十分の間に、本当に実行しちゃって無いわよね?
ま、まさか・・・ねぇ?
いくらあいつでも、女子相手に、それは無い無い!
そうは思っても、女子相手に、ボコボコにしちゃってる、あいつの絵しか浮かんでこないんですけど!
チラっと、柏原の方を見てみた。
「ゲッ・・・。」
思わずカエルのように声を漏らしてしまったのには、訳がある。
だって・・・、だってあいつ・・・。
怒りのオーラが、メラメラと燃えあがってるんですもの!
柏原を挟んで前後の男子なんて、あまりの殺気に変な汗かいてるし。
その殺気を含んだ怒りのオーラを見た私は、空白の数十分の疑惑が、さらに大きくなっていったのだった。
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