* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
「怒って・・・ないの?」
驚いた様子で聞いてくる綾香。
「怒ってるに、決まってるでしょ!」
そこまで私、寛容じゃない。
少し強めに言った私に、しゅんとなる綾香達に、話を続けた。
「今、思い出しても、ハラワタが煮えくり返りそうなくらい、ムカついてるわよ。
でも結果的には、未遂で終わったんだし、正直あんなにも誰かの事を思えるなんて、羨ましいって思った。
―それに・・・。
プッ・・・、スッピンが面白かったから、許してあげるわよ。」
そんな私の言葉に、ありえない!といった表情を浮かべて、少しの間固まっていた綾香は、柔らかい表情になって、口を開いた。
「あなた、相当なお人よしね。」
「何ですとー!」
人がせっかく、広い心で許してあげるって言っているのにー!
やっぱりこいつ、いけすかない。