* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
私が、やっぱり許すのを撤回しようかどうしようか、迷っていると、フッと笑みをこぼして綾香が続けた。
「でも、柏原様があなたを好きな理由が、なんとなく分かった気がする。」
「え・・・?」
「あなた、この期に及んで、まだ柏原様の気持ちに気付かないとでもおっしゃるの?」
「いや・・・、それはその・・・、もう。」
面と向かって『好きだ』と言われてますからー!
みるみる顔が赤くなる私を見て、逆に顔が蒼くなる綾香。
「柏原様、あなたに気持ち、お伝えになったの?」
少しためらったけど、素直に首を縦に振ると、周囲で小さな嘆き声が聞こえた。
私、ものすごく気まずいんですけど!!
挙動不審気味に落ち着かない私を見て、呆れたように大きく息を吐いて、綾香が口を開いた。
「昨日あんなに慌てて、あなたを助けに来た柏原様を見て、覚悟はできていたから、もういいの。
それに・・・、これは柏原様から口止めをされていたんだけど・・・。」
そこまで言うと、ためらいがちに目を伏せた。