*  翼をください   * ー俺様柏原の不器用Loveー

「あいつが、何?」


そこまで言って黙られると、ドラマの次回予告を見た後の、来週の放送よりも気になるんですけど!


少し呼吸をおいてから、再び綾香は続けた。


「今朝、柏原様から呼び出されたの。」


「え・・・?」


キターッ!ついに・・・、キターッ!!


あの、空白の数十分の事だー!


でも、顔や足は何ともないみたいだし、さすがに暴力はふるわなかったのかな?


いや、待てよ?実は見えてない部分は、えらい事になっているとか?


あの野郎、許せん!


女子をボコったあげく、口止めまでするとは!



「聞いてるの?」


脳内議論を始めてしまった私に、少し苛立ちを込めて綾香が言った。


来週の放送よりも気になるとか言っておきながらね?


「はい!聞いてます!メチャメチャ聞いております!」


右手をオデコニあてて敬礼をする私を見て、言うんじゃなかったと、大きな溜息をついた後、綾香は重い口を開いた。


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