* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
「今朝、私達全員、柏原様から呼び出されて、体育倉庫に行ったんだけど・・・。」
―うんうん、それで?
「もちろん、昨日あんな事をしてしまったのだから、お怒りになっていると思って、覚悟はして行ったのだけど・・・。」
―うん、まぁ、あいつが怒るのは、筋違いじゃね?
・・・と思うけど、あえて大人しく聞いておきましょう。
「それで、約束より少し遅れていらっしゃって、突然・・・。」
―ゴクリ。
「私たちに向って、深く頭を下げて、ゴメンって・・・。」
「・・・・・・―へ?」
「だから、いきなり謝られたのですわ!ゴメンって。私達を傷付けてしまって、ゴメンって。
それから、あなたの事は、自分が勝手に想っているだけだから、手を出さないで欲しい。
その代り、気の済むまで、自分の事を殴るなり、蹴るなり、好きにしてくれていいって・・・。」
あいつが・・・?
そんな事を・・・?
あんなプライドの塊のような男が、頭を下げた?
私の事を、守ろうとしてくれた?
熱いものが込み上げてきて、胸がいっぱいになる。