* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
そんなこんなで昼休みも終わり、ざわざわと賑やかしくなる教室。
相変わらず怒ったままの柏原の周りには、メイクをして黄色い声で群がる綾香with愉快な仲間たち。
っていうか、あいつ、まだ怒ってるわけ?!
T・DのくせにK・Sなんだから!
あっ、態度でかいくせに、心は狭いんだから!ね?
・・・・・・。
―やっぱり、私が朝言った『大っ嫌い』にキレてるんだよね?
なによぅ・・・。
あいつだって私の事『大っ嫌い』って言ったんだから、おあいこじゃないよぅ・・・。
―いや・・・、あれはあいつの照れ隠し、好きの裏返しの表現だったんだっけ。
私だって、本気で大っ嫌いなんて思っていないんだよ?
あの時、胸に覚えた違和感だって、本当は気付き始めてる。
あいつの優しさを、嬉しく思う意味も・・・。
だけど、認めてしまうのが怖いんだ。
愛なんて、儚くて、いつか壊れてしまう。
そして、傷つくのは女のほうなんだ。
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