* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
これってデート!?
「サラさんは、今からバイトですよね?」
最後の授業が終わり、騒がしくなる教室で、カバンに荷物を詰め込んでいると、瞳ちゃんが声を掛けてきた。
「そうなの。昨日休んだ分、頑張らないと。」
手を動かしたまま返事をしたものの、何かが引っ掛かり動きが止まってしまった私を見て、瞳ちゃんが首を傾げる。
「どうかなさいました?」
「うん・・・。何か、とても大事な事を忘れてる気がして・・・。
―でも、どうせ大した事じゃ無いから、いいや。」
不安そうに私を見つめる瞳ちゃんを見て、一呼吸置いた後、そう終わらせた。
ってゆうか、忘れるくらいだから、大した事じゃないよね?
そんな事を思えていたのも、つい【今】までの事。