*  翼をください   * ー俺様柏原の不器用Loveー

これってデート!?


「サラさんは、今からバイトですよね?」


最後の授業が終わり、騒がしくなる教室で、カバンに荷物を詰め込んでいると、瞳ちゃんが声を掛けてきた。


「そうなの。昨日休んだ分、頑張らないと。」


手を動かしたまま返事をしたものの、何かが引っ掛かり動きが止まってしまった私を見て、瞳ちゃんが首を傾げる。


「どうかなさいました?」


「うん・・・。何か、とても大事な事を忘れてる気がして・・・。

―でも、どうせ大した事じゃ無いから、いいや。」


不安そうに私を見つめる瞳ちゃんを見て、一呼吸置いた後、そう終わらせた。


ってゆうか、忘れるくらいだから、大した事じゃないよね?



そんな事を思えていたのも、つい【今】までの事。


< 198 / 281 >

この作品をシェア

pagetop