* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
それからは会話も増えて、思わぬ楽しい時間が流れた。
「今日だけだからね!こんな事してる暇、本当に無いんだから。」
「お前、バイト2日休んだ位で家賃が払えなくなるなんて、やっぱり面白いな。」
そう言って、バカにして笑う柏原。
「毎日ギリギリの生活してるんだから、仕方がないでしょ。あんたみたいな、お気楽お坊ちゃまには分からないと思うけど。」
「はははっ、そんな生活、分からなくて結構。
でも、今日付き合ってくれるお礼に、お前が食った事もないような、うまいものを御馳走してやるよ。」
なんでいつも、上から目線なのさ。
でも、御馳走という、ときめきワードを聞いた途端、私のお腹は、大きな音を立てる。
「はははっ、お前は、色気より食い気だな。らしいけど。」
柏原はそう言って、楽しそうに笑った。
仕方ないでしょうが!
昨日バイトを休んだおかげで、今日のお昼は、エコ弁当と称して、いつもの半分だったんだから。
なんて、絶対に言わないけど。