*  翼をください   * ー俺様柏原の不器用Loveー

「せっかくのムードが台無しだな。まっ、らしいけど。」


そう言って、目を細める柏原に、私の心臓がキュンと鳴く。


聞こえてしまうんじゃないかと、急に恥ずかしくなって目を逸らした私が目にしたのは・・・。


「・・・キレイ・・・。」


その光景に思わず息を呑んで、それしか言葉が発せられなかった。



窓から見下ろす街は、まるで宝石のようにキラキラと輝いて、まるで幻想の世界に迷い込んだみたい。


「だろ!どうだ、気に入ったか?」


驚く私をみて、満足そうに鼻を鳴らす柏原。


「うん!感動したよ!すごい!ホント綺麗!」


いつもなら『別に』とか、可愛くない事を言ってしまうんだけど、綺麗な夜景に心洗われたのか、素直になる。


―というより興奮してはしゃぐ姿は、まるで子供?


< 226 / 281 >

この作品をシェア

pagetop