* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
「せっかくのムードが台無しだな。まっ、らしいけど。」
そう言って、目を細める柏原に、私の心臓がキュンと鳴く。
聞こえてしまうんじゃないかと、急に恥ずかしくなって目を逸らした私が目にしたのは・・・。
「・・・キレイ・・・。」
その光景に思わず息を呑んで、それしか言葉が発せられなかった。
窓から見下ろす街は、まるで宝石のようにキラキラと輝いて、まるで幻想の世界に迷い込んだみたい。
「だろ!どうだ、気に入ったか?」
驚く私をみて、満足そうに鼻を鳴らす柏原。
「うん!感動したよ!すごい!ホント綺麗!」
いつもなら『別に』とか、可愛くない事を言ってしまうんだけど、綺麗な夜景に心洗われたのか、素直になる。
―というより興奮してはしゃぐ姿は、まるで子供?