* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
「可愛いな・・・。」
「えっ?ちょ・・・、は?」
突然、ありえない事を口にする柏原に、動揺を隠せない私は、きっと茹でダコみたいに真っ赤になっているんだろう。
ありがたい事にこの部屋は、ロウソクの明りだけが灯る、仄明りの空間だから見られないで済むけど、
こんな顔、絶対に見せられないよ。
「やっ、ち、ちがっ、え?は?あれ?」
そんな私よりも、さらにおかしな事になっている、俺様柏原。
しどろもどろに何か口走り、椅子をひいた後、座ろうとして思いっきり床に、尻餅までついてしまった。
動揺し過ぎだし!
「ぷっ!おっかしー!」」
なんだか、そんな柏原が可笑しくて、お腹を抱えて笑った。
柏原と二人きりという状況に、少し不安だった私は楽しくなって、気持ちが軽くなった。