* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
柏原の用意してくれた食事は、どれも食べた事の無いものばかりで、
「もう入らない!」
なんて言いながら、あれもこれもと箸を進める私を見て、柏原が微笑む。
「もう入らないんじゃねえのかよ。」
「こんなにおいしい料理、生まれて初めてだもん。胃袋が破裂しても食べてやる。」
そんな私に、呆れたように、でもどこか嬉しそうに笑う柏原。
「ほんと、美味そうに食うんだな。」
「だって、どれも本当に美味しいんだもん。」
そう言って、鴨肉のローストを口に頬張った。
「美味しい♪」
「いつでも食わせてやるよ。」
「そういう訳にはいかないよ。今日は、バイト休んでまで買い物に付き合ったお礼として、御馳走してもらってるんだから。」
「やっぱり可愛くないな・・・、お前。」
そう言って拗ねる柏原をよそに、結局残す事無く、デザートまでいただいてしまった。