* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
壁にくっついてしまった私のすぐ前に、柏原の胸板がある。
身長差と厚い胸板で、男を意識してしまう。
ドクン・・・
恐怖に、心臓が飛び跳ねた。
柏原は、強張る私の頬にそっと右手を触れ、左手を壁について、自分の体重を支えるように立つ。
「ちいせぇな・・・。」
そう呟いて、背中を縮めて首を右に傾けると、私の唇を塞いだ。
一瞬の出来事に頭がついていかなくて、目を開けて固まったまま、不覚にもその行為を受け入れてしまった。
柏原は、ニヤリと口角を上げると、舌先で私の唇をこじ開けて、中に侵入してきた。
「んっ・・・、」
必死に抵抗する私を、熱い舌で掻き回す。
ヤメテ・・・
恐怖で足に力が入らなくなって、私はヘナヘナと、その場にしゃがみ込んでしまった。
目に涙がたまって、零れ落ちそうになるけど、泣いてしまったら負けの様な気がして、
私を見下ろす柏原を、キッっと睨み上げた。