* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
「ふうー。御馳走様でした。」
見事なほどに空になったお皿がたくさん並ぶテーブルを前に、両手を合わせた。
「おう。」
照れくさそうに柏原が呟くと、少しの沈黙が私達を包む。
「ハーブティ、入れてやるよ。」
「う、うん・・・。」
部屋を出ていく柏原の後に続いて、私もリビングの方へついて行った。
妙な緊張感で、何を話したらいいのか分からない。
部屋の真ん中にある、アイランドキッチンの前に立ち、準備をしている柏原を見ていた。
ただハーブティを入れているだけなのに、華麗な動きが様になっていて、少し見とれてしまう。
柏原の行動をじっと見ていたら、バチッと視線がぶつかってしまった。
「見てんなよ。」
「見てないし。」
恥ずかしくなってその場を立った私は、白い光沢のあるソファーに腰掛けた。