* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
「だから、その史上最高な俺様が、生まれて初めて好きになった女なんだよ、お前は。
この先、こんなに想える女は、お前だけだって思ってる。
お前の過去に何があったって、その気持ちは変わらない。
俺は知りたい。お前の全てを受け止めたい。
俺を信じろ!」
ーもう、限界だった。
柏原の気持ちが素直に嬉しくて大粒の涙が私の頬を伝った。
柏原は、私の瞳から零れ落ちる涙を、一粒一粒、優しく親指で拭ってくれる。
ねぇ、そんな優しい顔、似合わないよ。
その温かい指先も、悲しそうに揺れている瞳も、柏原らしくないよ?
無性に熱いものが込み上げてきて、触れる指先を、強く握った。
『俺を信じろ』
柏原の言葉に、心に、強い想いに、
この人にだけは、知っていて欲しい。
そう思った。
「恥ずかしいから、向こう向いてて。」
柏原の肩を掴んで、背中をこっちに向けた。
私の目の前には、細いけどがっちりした柏原の背中。
強く、たくましい後ろ姿に勇気をもらった私は、背中合わせに座り直すと、静かに話し始めた。
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