*  翼をください   * ー俺様柏原の不器用Loveー

幼い記憶・・・


―あれは私が小学生の頃、木枯らしが冬の訪れを知らせる頃だった。



「「サラちゃん、7歳のお誕生日おめでとう!」」


「ありがとう!」


ケーキの上にある7本のロウソクを一気に吹き消した。


私の7歳の誕生日。


家族想いで優しいお父さん、優しくて温かいお母さんに挟まれて、

大好物がテーブルに並ぶ中、幸せな気持ちで満たされる。



そんな私を見て、自然と顔が綻ぶ両親と3人、この幸せな時間が、当たり前のように続いていくと思っていた。



でも・・・。


確かにこの時から、私たち家族の歯車は、少しずつ、でも確実に狂い始めようとしていた。


それから数日後、この幸せが、脆くも崩れ去る事なんて、考えもしなかったんだ。


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