* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
「目、あけてみ?」
首筋に感触を覚えた後、優しい柏原の声にそっと目を開く。
「これ・・・。」
首元で光るそれは、ジュエリーショップで私が見ていたハートのネックレスだった。
「頑張ったご褒美。」
柏原は、優しい顔でそう言うと、大きな手のひらを、私の頭の上にポスッと置いた。
「だって・・・、いつの間に?」
柏原の優しさに、涙が零れそうになるのを、必死で堪えながら聞くと、
「忘れ物。」
と言って、いたずらっぽく笑った。
あの時・・・。
店員の女の子に、番号聞きに行ったんじゃ無かったんだね。
ナンパだなんて、勘違いしてごめんね?
「ありがとう・・・。すっごく嬉しい!」
「そんな安物で喜ぶなよ。ほんと、変な女。」
普通の女の子だよ・・・。
そんな事くらいで、太陽みたいに笑うあんたの方が変だよ。