* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
目を覚ますと、窓から茜色の暖かな光がが差し込んでいた。
ふと携帯に目をやると、履歴一杯に“俺様柏原”の文字。
スッキリしない頭でボーっと携帯を見つめる。
昨日、拒絶したくせに、何で電話なんてしてくるの?
あいつの考えが、さっぱり分からない。
そんな思いで携帯を眺めていると、ブルブルと手に伝わる振動と、ディスプレイには“瞳ちゃん”の文字が表示された。
「サラさん!?大丈夫ですか!?」
通話ボタンを押して、応答する前に、受話器越しに聞こえる、心配そうな瞳ちゃんの声。
「瞳ちゃん・・・。」
なんだか無性にホッとして、泣きそうになった。
「何かあったんですか?柏原様が、とっても心配されていて・・・。」
柏原・・・。
名前を聞くだけで緩む、私の涙腺。