*  翼をください   * ー俺様柏原の不器用Loveー

「お母さん、一緒に寝ていい?」


夜になり、何故か人恋しくて、お母さんの布団にもぐり込む。


「まあ、大きな子供ね。ふふっ、いらっしゃい。」


お母さんは優しく微笑むと、私を迎え入れてくれた。



「子供の頃、よくこうして、一緒に寝てくれたよね。」


「そうね。毎日のように甘えていたわね。」


「お母さんひどい、毎日じゃないもん。」


懐かしい温もりと、変わらない優しさに包まれて、ほんの少し、心の傷が塞がっていくような気がした。



「サラ・・・?」


「ん?」


少しして、お母さんが話し始めた。


「お母さん、何があったのかは聞かない。ただ、傷付く事を恐れないで欲しいの。

サラは今まで、たくさん辛い事があって、臆病になる気持ちも分かるよ?

でもね?誰かを愛するって、とっても素敵な事なの。傷付いたら、その分強くなればいい。

難しい事だと思うけど、サラにはそれが出来るって、お母さんは信じてる。」


優しい微笑みを向けるお母さん。


「私・・・、そんなに強くないよ。」


「大丈夫。サラには、きっと幸せな未来が待っているわ。」


そう言って、昔してくれたように、優しく髪を撫でてくれた。


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