*  翼をください   * ー俺様柏原の不器用Loveー

「見てよあれ。朝から女の子に囲まれたくらいで、鼻の下伸ばしちゃってさ。」


そう言って、柏原の方を見る。


「なるほどね?」


何かを悟ったように頷くと、榊原くんはクスッと笑った。


「私の事が好きなら“俺様は、こいつと一緒にいたいんだ”とかなんとか言って、私をさらってみろっつーの!」



もはや榊原くんの存在を忘れて、一人の世界に入り込んでしまった私に、榊原くんは優しく笑いかける。


「サラちゃん、それって、完全にヤキモチだよね?」


「え?ヤキモチ?そ、そんなわけ無いじゃん。」


私が・・・、ヤキモチ!?


これがヤキモチなの?


胸の奥の方を、ギューっとされてるように苦しくて、イライラして・・・。



そしてまたひとつ、実感する。


やっぱり私は、柏原が好き・・・なんだ。


「しょうがないなー、サラちゃんは。」


そう言って榊原くんは、子供をあやすように、私の頭をポンポンと叩いた。



< 260 / 281 >

この作品をシェア

pagetop