* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
「見てよあれ。朝から女の子に囲まれたくらいで、鼻の下伸ばしちゃってさ。」
そう言って、柏原の方を見る。
「なるほどね?」
何かを悟ったように頷くと、榊原くんはクスッと笑った。
「私の事が好きなら“俺様は、こいつと一緒にいたいんだ”とかなんとか言って、私をさらってみろっつーの!」
もはや榊原くんの存在を忘れて、一人の世界に入り込んでしまった私に、榊原くんは優しく笑いかける。
「サラちゃん、それって、完全にヤキモチだよね?」
「え?ヤキモチ?そ、そんなわけ無いじゃん。」
私が・・・、ヤキモチ!?
これがヤキモチなの?
胸の奥の方を、ギューっとされてるように苦しくて、イライラして・・・。
そしてまたひとつ、実感する。
やっぱり私は、柏原が好き・・・なんだ。
「しょうがないなー、サラちゃんは。」
そう言って榊原くんは、子供をあやすように、私の頭をポンポンと叩いた。