* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
過去との決別!!
教室に入ると、目が合った瞳ちゃんが、嬉しそうな顔で駆けてきた。
「サラさん、もう大丈夫なんですか?」
「うん。心配掛けてごめんね?」
とびきりの笑顔で応えると、自分の席に座った。
「それで、柏原様とはどうなったんですか?」
私の前の席に座ると、興味津々に身を乗り出す瞳ちゃん。
「実はね・・・。」
瞳ちゃんの耳もとに口を近づけて、小さな声で昨日の事を話した。
話している途中“キャッ”とか“まぁ!”と言いながら、段々顔が赤くなる瞳ちゃんを、楽しく観察しながら話し終えると、
「素敵過ぎます!ロマンチックです!キャーッ!」
瞳ちゃんはそう言って、両手で顔を隠すと、足をジタバタさせた。
そんな風に、自分の事のように喜んでくれる瞳ちゃんの事が、嬉しくてたまらなかった。
昨日だって、瞳ちゃんが柏原に言ってくれなかったら、今の私はこんな風に、笑っていられなかったと思う。
“サラさんを傷付けたら、私が許しません!”
なんて柏原に怒りをぶつける瞳ちゃんを想像して、クスリと笑った。