* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
「ごめん、もうしないから。」
柏原はそう言って、ためらいがちに私の体を抱きしめた。
「うっ、うっ、うわ~ぁん。」
子供をあやすように優しく、トン、トンと背中をたたくから、
不覚にも、柏原の胸で、子供みたいに泣いてしまった。
いつまでも泣き止まない私を、柏原は何も言わずに、ただただ強く抱きしめて、一定のリズムで背中を優しく叩く。
甘い、高そうなコロンの香りと、不器用に抱きしめる柏原の腕が優しくて、
すーっと落ち着いていくのが分かった。