* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
「その代わり、今の家族を大切にして。絶対に傷つけないって約束してほしい。
それから、この先どんなに絶望的な事が起こったとしても、決して自分に負けないで。
それが守れなかった時、この一発は、百倍にして返すから。」
そう言って、右手の拳を突き出して笑った。
それは、強がりなんかじゃない。
自分の中で、つっかえていた何かが、スーっと消えていくのを感じたんだ。
これからは、ちゃんと前を向いて歩いて行けそうな、そんな気持ちになったから。
「サラ・・・。」
父の瞳に、涙があふれていく。
「分かった。必ず約束する。本当に、ごめん。」
その後、いくつもの涙の粒を零しながら、何度も何度も謝る父に別れを告げ、柏原とその場を後にした。
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