*  翼をください   * ー俺様柏原の不器用Loveー

「ちょ、ちょっと!何するのよ!!」


思わず体を離し、手ぐしで髪を整えながら膨れていると、何故か不機嫌そうな柏原。


―何?


優しくしたと思った矢先、何故にご立腹?


私が思い巡らせていると、拗ねたような顔で、柏原が口を開いた。



「お前、やっぱり榊原とかいう奴の事が好きだったんだな。」


・・・・・・・・・。


―はい?


何でそうなる?



あまりにも唐突過ぎる柏原の言葉に、返す言葉も見つからないでいると、イライラしながら、付け加えた。


「さっき言ってただろ。『心から大切だって思える人がいる』って。

ったく、俺様の反応なんか伺ってんじゃねえよ。」



・・・・・・・・・。


こいつ・・・。



正真正銘のバカだな・・・。


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