*  翼をください   * ー俺様柏原の不器用Loveー

―どのくらい泣いただろう・・・。


いつの間にか眠ってしまった私は、悪夢から覚めた。


ビクッと大きく震えた私に驚いて、柏原の腕の力が緩んだ。


あんな事があって、あんなふうに泣いて、いくら神経の図太い柏原だって、

ドン引きしているだろうと思うと、どんな顔をしたらいいのか分からない。


柏原がどんな顔をしているのか、見るのも怖くて、顔が上げられないでいた。



「あのさー・・・。」


目が覚めた私に気が付いて、柏原が口を開いた。


「はいっ!」


突然降ってきた言葉に驚いて、声が上ずってしまう私。


「限界・・・。」


「えっ!?」


この男、この期に及んで、また欲情したの!?


思わず固まる私に、少し苛立ちを込めて柏原が言った。

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