* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
キュン死に寸前の私をよそに、余裕の顔で歩み寄る柏原。
「な、何するつもり?」
「何って、ナニだけど?」
少しずつ後ずさる私の背中に、大きな木の感触を感じ、そこで止まった。
こんなシーン、前にもありませんでした!?
でも、今は違う・・・。
お互いが想い合っているから。
もう、怖くなんかないよ。
―だけど・・・。
「ここ、街のど真ん中ですからー!!」
「お前、何も変わってねえのな。」
激しく拒否する私に、呆れ顔の柏原。
「だって、みんな見てるよ?」
「見せつけてやればいいじゃん。」
そう言って、軽く私の顎を持ち上げる。
「でも・・・。」
「うるせえよ・・・。」
そう甘く唱えると、優しく私の唇を塞いだ。