*  翼をください   * ー俺様柏原の不器用Loveー

桜並木を抜けると、そこは、異国を思わせるような雰囲気に包まれていた。


両脇にライオンの像が見張る、重厚感のある重そうな扉の開いた先は、赤煉瓦の道が続いている。


その先を行くと、イギリスのお城のような白く高級感あふれる校舎が構えていた。


行き交う生徒を見ると、同じ制服に身を包んでいるのに、私とは違う、お嬢様&お坊ちゃまな雰囲気をかもし出していて、

私は一人、異国に迷い込んだ、留学生の様な気分になってしまう。


―はい、完全に浮いています(涙)


旅行気分でキョロキョロと観察をしながら、ガーデンや噴水、オープンカフェに

あんぐり口をあけながら歩いていると、後ろの方から黄色い声が聞こえてきた。



「キャー!柏原様よ~ぉ!」

「柏原さま~ぁ!」

「素敵~ぃ!こっちむいて~!」

声のする方を見ると、山のような人だかりが出来ている。

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