* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
「ひぃぃぃぃっ!」
思いの他ダメージを受けた様子の柏原の声に、小さくガッツポーズを作って走った。
あんなに怖い思いをしたはずなのに、私の心は自分でも驚くほど、落ち着いていた。
甘いコロンの香りに、
伝わる体温に、
抱きしめる力強い腕に、
同じ間隔で背中を叩くリズムに・・・、
温かい気持ちにで満たされていった。
走りながら考える。
あんな奴、大っ嫌いなのに・・・
ポカポカと、温かくなっていく心が何故か怖くなって、ただひたすら走った。
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