* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
でも・・・。
月曜から金曜までの、毎日5時~10時の5時間、続けて働かせてもらえる好条件。
これを逃したら後は無い!
ここで引き下がるわけにはいかないんです!!
「お願いします!二度と遅刻はしません!どうしてもここで働きたいんです!どうかお願いします!!」
「そうは言ってもねー。」
「一週間、今週一週間、私にチャンスを下さい!一生懸命働きますので、それを見てから決めてください!
今週一週間、バイト代はいりませんっ!!」
「いくらなんでも、そんな滅茶苦茶な・・・。」
店長さんが、困惑気味で言葉を濁した。
「いいんじゃないですか?」
・・・?
突然聞こえた声の方をたどると、私が入ってきた扉とは別の、もう一つの扉を開け、
腕組をしてドアにもたれ掛かっている男の子。
「榊原くんか。」
榊原くんと呼ばれた男の子は、白いシャツに黒いパンツをスッと着こなして、
ショートのエプロンを腰に巻きつけたウェイターの格好をしている。
年は同じくらいだろうけど、長身で細身だから、まるでモデルのように見える。