* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
「話は聞きました。・・・とゆうより、そちらの女性の声が大きかったので、フロアまで聞こえていました。」
「えっ・・・。」
恥ずかしくなって、耳まで赤くなる。
「確かに、遅刻なんて言語道断ですが、何か事情があったんでしょう。
僕が自転車を止めている時に、彼女が店の前まで来ていたのを見ていますし。
今週いっぱいは、・・・と言っても今日は火曜日ですので、あと4日、
バイト代がいらないと言うなら、様子だけでもみてみたら。」
入口の方から、店長さんに近づくように、ゆっくりと歩きながら、榊原くんはそう言った。
・・・ってゆうか、バイト代いらないってゆうのは、ついつい出てしまっただけだから、リピートしないで欲しい(泣)
肩を持ってくれるのは嬉しいのだけど、ちょっぴり恨みを込めた目で、榊原くんを見た。
「うーん。」
榊原くんは、『まかせて』とでも言いたげに、私にウインクをすると、まだ答えを渋っている様子の店長さんに言葉を続けた。
「彼女は、僕と同じ『美華園』の生徒です。いい加減な気持ちや、不真面目な態度などは無いと、僕が保証します。」
そう言って、店長さんに親指を立てて、『Goo』のポーズを決めた。