* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
榊原君の説得のおかげで、店長も渋々頭を縦に振ってくれた。
それから、ちょうど忙しい時間帯とゆう事もあって、説明もゆっくり聞けないままバイトが始まり、
怒涛の3時間が過ぎた後、私はぐったり。
着替え終わって、しばらく休憩室で休んだ。
・・・とゆうより、生きる屍(しかばね)?
椅子の背もたれにもたれて、足も腕も、だらーんと力なく、天井の一点を見つめて口を半開きにしている姿は、私だって近寄りたくもないし。
ヒヤッ
ボーっとした脳を、一気に活性化させた正体は、オデコに当たった、缶ジュース。
そのままさらに頭を後ろにやると榊原くんが、天使のようなスマイルを浮かべて立っていた。
「おつかれ。」
私には眩しすぎるよ!その笑顔!!
思いのほか近くにある顔に照れて、オデコにつく缶ジュースを取った。
ズルッ!
「あっ!」
「おっと・・・っぶねー!」
頭を後ろにやりすぎて、体勢を崩した私は、椅子ごと後ろに倒れそうになった所を、
榊原くんが間一髪で、頭を支えてくれて助かった。
石頭の頭でっかちな私の頭は重いのか、支える両手がプルプルなってるのが分かった。