* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
「紋之丞、サラちゃん、おはよ!」
曇った空も、私たちを包む沈黙の渦も、能天気なこの声で、一気に吹き飛んだ。
ナイスタイミング!清四郎!!
今日は天使の声に聞こえるよ。
「おぅ、清四郎、おは。」
「エ・・・、おはよ。」
エロガッパと言いたかったけど、隣に女の子を連れていたのでやめておいた。
へぇ、こうゆう子がタイプなんだ。
言ったら悪いけど、いかにも遊んでそうな、軽そうな女の子だった。
「この子は千恵ちゃん、俺のマイハニー。そっちは?
昨日はあんなに険悪なムードだったのに、今日はどうしたの?ひょっとして、ラブラブ?」
「ち、ちが・・・「誰がこんなブルドッグ!」
否定しようとする私を、柏原はこともあろうか、ブルドックと罵った。
「ブルドッグって何よ!猿に言われたくないわよ!」
「ぶっ・・・。仲いいんじゃん。」
お腹を抱えて、清四郎が笑っている。