*  翼をください   * ー俺様柏原の不器用Loveー

席に着いたのは、担任が教室に入るのと同時だった。


上がる息が収まらないまま、席に着く。


なんで、入学して二日連続、こんなにドタバタなんだろう?


私は、平凡に、ただひたすら勉強を頑張って、少しでも成績を上げて、少しでもいい会社に入りたいのに。



あいつのせいだ!あの俺様柏原のせいだ!!


斜め右前の方を見た。


担任が出席を取っているというのに、女子が集団でキャーキャー言っている。


それに笑顔で応える柏原。


何よ、あんな風に笑顔振りまいちゃって。


私にはすぐに、ケンカ売ってくるくせにさ。


どこがいいんだか、あんな最低な奴。


イケメンでお金持ちでも、性格悪くて変態なんだから。


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