* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
「森山!お前には、ふざけている余裕など、無いはずだが?」
担任の鋭い目が、眼鏡のレンズ越しに私を睨みつけた。
特待生として、奨学金でこの学校に通わせてもらっている以上、成績優秀・品行方正は絶対条件。
入学して2日目でこれじゃあ、担任が怒るのも、無理はない。
・・・と思う。
・・・と思うんだけど、納得いかないんですけどー!
斜め右前で、キャーキャー騒いでるあの集団は、おとがめ無しですか!?
とは思いつつも、大人しそうな印象だった担任が、これだけ目を吊り上げている中、
そんな事を言えるはずもなく、
「すみませんでした。」
そう言って、椅子を戻し座った。