* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
突然の告白!
あれから学校で、柏原と顔を合わせる事もあったけど、いつにも増して睨んでくるから、
『絶対に文句言ってやる!』
と意気込んではいたものの、声すら掛けられなかった。
柏原に係わると、ロクな事にならないし、もうあいつに振り回されるのはうんざりだったから、好都合だった。
今日は、バイトお試し期間の最終日。
私はいつも以上に張り切って、最後の最後まで一生懸命に働いた。
今から、店長が待つ事務所で、正式採用か否か、結果を聞く事になっている。
「サラちゃんなら大丈夫だよ。一生懸命頑張っていたのは店長も知ってるし、僕が保証する。」
榊原くんは、不安そうな私の頭を、ポンポンと二回叩いて励ましてくれて、先に店を後にした。
いつもより重く感じる扉を開けて中へ入ると、椅子ごとこちらへ向けて、店長が待っていた。
「森山さん、4日間お疲れ様。今日が約束の日だから、返事をしないとね。」
私は、店長の目を見据えたまま、頷いて返事の代わりとした。