* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
「私なんかの事を、好きって言ってくれて、本当にありがとう。
でも・・・、ごめんなさい。
好きとか付き合うとか、よく分からないんだ。
きっとこの先、誰かを好きになる事は無いと思う。」
こんなに素敵な男の子が、私と付き合いたいと言ってくれているのに、それを断るなんて間違っていると思う。
でも私はどうしても、そうゆう気分にはなれなかった。
「ははっ、何じゃそりゃ。すっぱり言ってくれた方が、諦めつくんだよ?」
真面目な顔で話を聞いていた榊原くんは、急に吹き出してそう言った。
でも、瞳の奥が揺れているのが分かる。
私を気遣って、わざと明るくしてくれてるんだよね。
榊原くん、優しいから。
「そうだよね。こんなの理由になってないよね。
榊原くんの気持ちには応えられません。ごめんなさい。」
「分かった。ごめんね?嫌な想いさせて。」
そう言って、榊原くんは私の頭に手を乗せた。
「ううん。榊原くんの気持は、本当に嬉しかった。ありがとう。」
ごめんね、ありがとう。