* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
バスに乗り遅れてしまったため、次のバスが来るまでの間、榊原くんと二人、ベンチに腰掛けた。
・・・と同時に、二人とも無言になってしまい、とても気まずい空気が二人を包む。
何かいい話題は無いかと思い巡らすも、何も出てこない。
何せ私、ものすごくテンパってますから!
柏原曰く『ブス・貧乳・貧乏』の最悪な私が、人生初の告白を受けて、断っちゃったんだもの。
にんげんだもの!(by.みつを)
ドキが胸胸・・・じゃなくて、胸がドキドキざわついて、思考回路が停止状態なんだもの!
そんな私を気遣ってか、優しい口調で榊原くんが話し始めた。
「これは、僕のわがままなんだけど、今まで通りの関係でいてもらえないかな?
このままサラちゃんと気まずくなるのは嫌なんだ。無理かな・・・?」
そう言って、遠慮がちに首をすくめる。
「ううん、嬉しい。私もそう思ってた。図々しいよね。」
「うん、図々しいね。」
榊原くんが、いたずらっぽく笑った。
「ひどーい!」
私も、つられて笑いながら、わざと膨れてみせた。