* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
「この子は、マイハニーの瞳ちゃん。」
と、隣の彼女を紹介する。
オイ!マイハニー千恵ちゃんはどうした!?
とツッコミを入れたくなったけど、清楚な身なりの、瞳ちゃんと紹介された彼女が、
ペコリと頭を下げたから、引きつった顔のまま、私も頭を下げた。
「じゃ、瞳ちゃん、また放課後ね。」
「はい。清四郎様。」
可愛く笑って、瞳ちゃんは去って行った。
「可愛いな~、頬赤らめちゃってさ。」
去っていく瞳ちゃんの背中を見送りながら、満足げに清四郎が呟いた。
「そんな顔するなら、二股なんてやめなよ。男って最低!」
ついイラッとして、きつい口調になる。
「二股?本気で愛してるよ?」
イラつく私に、清四郎は悪びれる様子もなく、しれっと答えた。
「じゃあ、この前の千恵ちゃんは何なのよ。」
「千恵ちゃん?いつの話?」
そう言って、軽く口笛まで吹き始めて、何やらご機嫌な様子だ。