* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
「一週間前に紹介してくれた彼女を、もう忘れたのか!この頭は!!」
そう言って、清四郎の頭を両手の拳でグリグリ攻撃した。
すぐにかわしておどけた顔で笑うと、清四郎は楽しそうに口を開いた。
「僕ってモテるでしょ?全員を相手にしてたら、体がもたないと思わない?」
清四郎はそう言って、いやらしく腰を振ってみせて、続けた。
「だから日替わりで、みんなと付き合っているってわけ。
一度付き合った子とは、二度と付き合わないのがルール。妙な感情に流されちゃうといけないからね。
もちろん、彼女たちもそれを承知の上での関係だし。
その日の彼女の事は、その時は本気で愛してるよ。」
どうだ!と言わんばかりの自慢げに胸を張っている。
私は呆れすぎて、開いたままの口を戻す事が出来なかった。
「何?サラちゃんも彼女に立候補したい?
半年先まで予約で一杯だけど、サラちゃんなら特別に、他の子をキャンセルして、すぐにでもいいよ。」
そう言って、私の肩に腕を回すエロガッパ。
やっぱり清四郎には、このあだ名がピッタリだわ。
「誰が!」
そう言って、肩に回された腕からすり抜け、早足で学校へ歩いた。