* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
俯き一人考え込む私の顔を覗き込んで、清四郎が口を開いた。
「誰にも言うなって言われてるんだけど。」
「何?何か知ってるの?」
清四郎の顔が深刻そうに曇ったから、鼓動がスピードを上げる。
「実は紋之丞さ、小さい頃から体が弱くて、入退院を繰り返してるんだ。」
えぇぇぇっ!?
何?このまさかの急展開は!!
どうせ『冗談でした。』とか言って笑うんでしょ?
「そんな・・・、だってあいつ、いつも元気に威張りくさってて、
そんな素振りちっとも見せないじゃない。」
「誰にも知られたくないから、わざとそう振る舞ってるんだよ。」
いつもは能天気な清四郎の顔が陰り、事の重大さを物語っていた。
そんな・・・。
嘘でしょ?
あんなに強そうなのに。
私、冷たく当たっちゃった。
言い様のない不安感と、後悔が胸を締め付けた。