*  翼をください   * ー俺様柏原の不器用Loveー

柏原の家に向かう途中、清四郎が真面目な顔で口を開いた。


「紋之丞の顔を見ても、驚かないであげて。

薬の副作用で、今日はまだ、顔が腫れてると思うから。」


「分かった。」


私は、冷静に返事をしてみるも、心穏やかでは無かった。



そんなにヒドイの?


大体、あいつと私って、なんの関係もないのに、お見舞いなんかに行っていいの?


何、ホイホイついて来ちゃってんのよ!


これじゃあ私が能天気女だよ!!



「私、やっぱり・・・」


「着いたよ。」


『帰る』と言いかけた所で、車が止まった。



運転手さんが開けてくれたドアから、飛び降りる私。


無駄に高いのよ、この車!


高いのは高さだけでなく、清四郎に聞いたこの車のお値段なんと、

2千5百万円なり!


ありえない!金持ちの金銭感覚!!


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